オープン!沖縄そば専門店 サッパリ系スープにもちもち麺 ちゅら食堂 取手店@茨城県取手市
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取手市にオープンした沖縄そば店でランチしました。
【沖縄そば】【ソーキそば】の幟が目印。
沖縄っぽい、赤い屋根の一軒家。
「沖縄そば専門店 ちゅら食堂」取手店さんです。
つくば市に本店があり、初の支店として11月20日にオープンしました。
営業時間は11:00~15:00のランチタイムのみ。
本店では、生ライブがあるライブハウス&バーの夜営業がありますが、ここ取手店でも不定期にLIVE & BARになるようです。
沖縄の紅型(びんがた)文様の暖簾をくぐって店内へ。
藤のように花が垂れ下がるサワフジ(サガリバナ)をデザインした模様です。
ちなみに店名の「ちゅら」とは、「美しい」という意味の沖縄本島の言葉で、「美ら」とも書く、ってことはずいぶん知られてますね。
NHKの朝ドラで「ちゅらさん」があったし、ジンベイザメで有名な「沖縄美ら海水族館」があるし。
その「ちゅら」は、「美しい」を意味する日本語古語の「きよら」が語源なんです。
さて、店内はオリオンビールの提灯が下がる沖縄ムード。
テーブル席が2人用5卓、4人用4卓、6人用1卓、さらに奥に座敷があります。
客の目を惹く絵が飾られている。
沖縄出身、土浦在住のミュージシャンのBOGEY KENNY(ボギーケニー)さん。
この方が店主で、本名は宜保健さん。
厨房で料理を作っているのが、このボギーさんです。
店内のモニターには、ボギーさんのミュージックビデオがずっと映し出されてます。
CDも売ってますよ。
メニューは実にシンプル。
ソーキそばとちゅらそば。ソーキそばが100円高い。麺量は大中小があります。
そしてジューシーとのセットの定食。
ジューシーは、混ぜご飯(炊込みご飯)のことです。
「ちゅらそば」とはこの店が命名した「沖縄そば」のこと。
沖縄そば=ソーキそば、だと思っている人がいるけど、それは間違い。
トッピングの肉が違います。
沖縄そばは三枚肉(バラ肉)、ソーキそばは骨付きスペアリブがトッピングされている。
正確に言うと、「沖縄そば」には、広い意味と狭い意味の2つがあって、狭い意味では上記のような三枚肉をトッピングしたタイプを指します。しかし広い意味では、ソーキそばを含めて沖縄そば全般を意味します。
ソーキそばとちゅらそば(沖縄そば)の違いが書いてあります。
このお店では、ソーキそばは骨付きスペアリブですが、ちゅらそばはロース肉がトッピングされている。
以前は三枚肉を使っていましたが、ロース肉に変更したそうです。
ソーキそばとちゅらそばは、トッピングの肉が違うだけで、スープや麺は同じです。
ドリンクにはオリオンの生ビールがある。
さてオーダーですが、まずはデフォルトの沖縄そばを食べるべきだな。
ということで、ちゅらそば定食の中をオーダー。
◆ちゅらそば定食
ちゅらそば・中、ジューシー、お新香、そしてちんすこうが付いてます。
箸は、竹製の割り箸。
「うめーし」だったら沖縄の食堂らしくて嬉しいのにな。
ちゅらそば・中。
肉、棒かまぼこ、青ネギ、紅生姜がトッピング。
沖縄そばの基本スタイルですね。
スープはアッサリしているけど、出汁がしっかり効いて旨みがある。
カツオ節メインで豚骨を加えた出汁に塩で味付けした沖縄そばの汁です。
美味しい。
麺は、白っぽくて、角切りで縮れがある、沖縄そばスタイル。
食感は、もちもちしたラーメンっていうか、ラーメンとうどんの中間って感じ。
沖縄そばの麺は、うどんじゃなく、カンスイを使った中華麺の仲間です。
だから中華麺っぽいコシがあります。
しかしこの麺は、古典的な沖縄そばの食感とはちがう。
古典的な沖縄そばは、最初に歯にムギューッと抵抗する硬さがあって、突然にパッツンと噛み切れ、ボソボソした食感がある。そんな独特の歯ごたえがあります。
それとは違っている。
これはきっと、生麺を茹でているだろうな、と推測しました。(詳しくは最後に)
肉はロース肉。しかも脂は切り落としてある。
赤身の部分だけを煮たものだから、柔らかいけど、パサついた食感がある。
ん-、なんで、三枚肉を使わないんだろ?
あとで数えたら5枚ほど入ってる。
多いんだけど、残念だなぁ。
棒カマボコ。
沖縄のカマボコには、いろんな形がありますが、これは棒状の丸長かまぼこ(長棒かまぼこ)。
それを斜めに切ったものが沖縄そばのトッピングの定番です。
本土のかまぼこはすり身を蒸して作りますが、沖縄のカマボコは揚げた揚げかまぼこで、東日本で「さつま揚げ」、西日本では「天ぷら」、鹿児島では「つけあげ」と呼ばれているもの。
沖縄では「チキアギー」(つけあげ)と言います。
テーブルに紅生姜とコーレグースーが置いてあります。
辛ーい島唐辛子を泡盛に漬けたコーレグースー。
自家製じゃなく沖縄製造の製品。
ストレートな辛さが好きな香辛料です。
ただし、傾けると、ドバっと出て来るのでご用心。
じゅーしー。
「ジューシー」は英語じゃありません。
これは炊込みご飯です。
「ジューシー」は「雑炊」の沖縄語読み。
柔らかな雑炊タイプと硬い炊込みご飯タイプがあって、どっちもジューシーです。前者を「ヤファラジューシー」とか「ボロボロジューシー」、後者を「クファジューシー」とも言います。
柔らかめの炊き上がり。
沖縄そばの出汁を使って炊いたんでしょう。美味しいです。
大根の黄色い漬物。
タクワンだなと思って、何気なく食べちゃった。
でもこれ、沖縄のウコン漬けだったのかな?わかりません。
ちんすこうのサービス。
南国製菓のコーヒーちんすこうです。
ちんすこうは、サクッとした食感がいいね。
会計が終わって、厨房にいた店主さんと少しお話し。
・なぜ三枚肉じゃなくロース肉を使うのか?
以前は三枚肉を提供していたが、脂を嫌う客がいるので、脂身のないロース肉にした。
・麺は生麺を使っているのか?
麺は生麺を沖縄から取り寄せている。
・生麺を茹でた後に「油まぶし」をするのか?
油を避けているのと、自分が生麺の食感の方が好きだから、茹でてそのまま使っている。
うーむ、なるほど。
このお店の麺は、近年沖縄で流行っている、生麺使用のラーメン風タイプってことのようです。(麺の説明は最後にします。)
だからサッパリ系のスープにラーメン風の麺の沖縄そばです。
しかしとんちゃんは、古典的な沖縄そばの麺の方が好き。
そしてパサつき感があるロース肉は、やはり賛成しがたい。
それが嫌ならソーキそばをチョイスするのがいい、ってことなんだろな。
ごちそうさまでした。
沖縄そばについて少し説明します。
・沖縄そばとソーキそば
「沖縄そば」は、沖縄では単に「そば」と言います。沖縄語だと「すば」と発音します。
沖縄で庶民がそば(沖縄そば)を食べるようになったのは明治時代中期で、現在の形になったのは大正時代だそうです。
沖縄の本土復帰(1972年)後の1970年代にソーキそばが誕生しました。発祥店は、名護市の「丸隆そば」(1948年創業、当時は「我那覇そば」)と「我部祖河食堂」(1966年創業)が「元祖」を名乗っています。
元祖ソーキそばは、ソーキをトッピングするだけでなく、スープは豚骨出汁が強く、普通の沖縄そばとは異なっていました。
しかし人気になったソーキそばを他店も導入するようになり、沖縄そばと同じスープを使って、三枚肉の替わりにソーキをトッピングする、というスタイルが定着しています。
したがって、沖縄そばとソーキそばの違いはトッピングだけの違いだけになっています。
・沖縄そばの麺
沖縄そばの麺は小麦粉製です。小麦粉の生地に、かつては灰汁(あく)(木灰を水に溶かした上澄み液)、現在ではカンスイを加えていて、中華麺の部類です。
普通の中華麺と異なるのは、麺を手もみして茹でたあと、油をまぶす工程があることです。これによって麺がくっつかなくなるだけでなく、油が麺の表面に浸透して、麺延びを防ぎ、独特の硬い歯ごたえを作り出します。
それで、麺を噛むと、ムギューッと硬い抵抗感があった後、ブスっと噛み切れる、独特の歯触りが生まれます。
また製麺所では、日持ちする蒸し麺も販売されています。
沖縄そば店は、自家製麺の店もありますが、その多くは製麺所から油まぶししたゆで麺を購入し、それを湯で温め、油を落として、客に提供します。
近年、沖縄では生麺を購入して茹でるお店が増えているらしい。
これはラーメン店が増加した影響らしい。
生麺は元々中華麺だから、ラーメンによく似た食感になり、またモチモチした食感がある。
だから沖縄の「沖縄そば店」には、古典的なゆで麺の店とラーメン風の生麺の店とがある状況のようです。
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